Wineryワイナリー

イャニック・アミロ

イャニック・アミロ

ワイナリー
2009年9月17日 訪問
2018年5月25日 訪問
フランスの中央部から大西洋まで、約1,000kmを流れるロワール河。その流域は古くから「フランスの庭」と呼ばれ、美しい古城に囲まれ、バラエティーに富んだワインを産することで有名です。イャニック・アミロは、その広大なロワール地方のほぼ中央部、ブルグイユという村に位置しています。

産地の特徴
大西洋側の海洋性気候と、内陸側の大陸性気候の両方を受けた温暖な気候です。ブルグイユはアンジェとトゥールの中間にあり、かつてはトゥールのワインとして販売していたこともありました
決して過剰なことをせず、限りなく自然に近い状況の下で栽培を行う
アミロの木々の葉は、ピンと張りつめながらエネルギッシュな緑をたたえています。幹も雄々しく思わず触れてしまいたくなるような風格があります。栽培という人工的な環境の中でありながらも、限りなく自然に近い環境を造り出し、丁寧な手入れをされているからこそであって、アミロによる苦心の賜物に他ならないでしょう。ブドウをいくつか摘まんで食べてみると、果皮をかじると同時に口の中に香りと果汁が溢れ出てきて、とても甘いのに驚きました。種ですら、そのまま食べられるほどに香ばしかったです。ワインの本や生産地へ行ってそのブドウを食べた人の話とは、まるで違っていました。「ワイン用のブドウ果実は酸っぱくて食用には向かない」「種はタンニンそのもの」いったいその本はどこの事実を記載して、その人はどんなブドウを食べたのか?目のあたりにした経験があまりにも情報とかけ離れていたので、正直驚きを隠せませんでした。「良いワインは良いブドウから生まれる」ワインの世界ではしばしば耳にしますが、身をもって経験している人は、なかなかいないのではないでしょうか?
アミロは、あまり天候の良くない年でもあまり影響しないと言い切ります。そもそも多少の雨ではブドウ樹の根まで浸水せず、その途中の土壌で蒸発するか、畝に広がる雑草に吸い上げられてしまいます。化学肥料を一切使用しないアミロのブドウ樹は、他の木々たちと競い合いながら土中の養分を求めて地中深く根を延ばします。逆に化学肥料を散布して地表の近くに養分があると、根は地表に沿って横に延ばすため、雨の影響を受けやすくなります。更には、近隣のブドウ樹との接触で、病害が発生しやすくなるとも言います。本来ならば自然の力とそれらによる恩恵で解決されていた問題を、人の手による化学肥料や除草剤によって掘り起こすことになるのです。過剰な人の手によって生まれた問題を、さらなる人の手で解決しようとすれば、また新しい問題を生み出して、再びそれを繰り返してしまいます。アミロの毎日の努力の積み重ねが、ワインに反映されています。厳しい顔はしていますが、優しいワインを造ります。アミロに「趣味は?」と聞いたら、間違いなく「畑仕事」と言うと思います。だからこそ、この飲み疲れしない、癒し系のワインを造り出すことが出来るのだと思います。私をボルドーワインから遠ざけた造り手「鉄人アミロの職人ワイン」是非、一度、機会があれば飲んでみてください。

イャニック・アミロ氏のワイン

ロゼ・デキノックス
ロゼ・デキノックス
ロゼ
ラ・ミーヌ
ラ・ミーヌ
ル・グラン・クロ
ル・グラン・クロ
ラ・クードレー
ラ・クードレー
レ・カルティエ
レ・カルティエ
レ・マルガーニュ
レ・マルガーニュ
レ・マルガーニュ(甕熟成)
レ・マルガーニュ(甕熟成)
ラ・プティット・カーヴ
ラ・プティット・カーヴ